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行政の世界でゼロからイチを創る~東京都のクラウド転換に向かうデジタル基盤グループの挑戦~

GovTech東京は、東京都庁と都内62区市町村のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために2023年に設立されました。
2024年4月に新設されたにデジタルサービス基盤開発本部 デジタル基盤グループのメンバー現在取り組んでいるプロジェクトやビジョンについてインタビューしました。

GovTech東京のサービス

GovTech東京が東京都と協働し実践することで、日本の自治体のモデルケース構築する

―なぜGovTech東京に参画したのですか。

平井:直接のきっかけは2019年12月都庁への転職です。当時TOKYO Data Highway戦略やスマート東京の取組を知り、『世界をつなげる』『日本をアジア太平洋のインターネットのハブにする』という自分の野望と、東京がDXを成し遂げ、世界の都市間競争に勝っていくことに貢献することが一致する。そう思い、転職しました。GovTech東京に入った今もその想いは変わりません。
DXやクラウドへの移行は今や社会課題です。GovTech東京が東京都と協働し実践することで、日本の各自治体のモデルケース構築する。そのために参画しました。

関貫:私は元々地元である岡山県にある自治体向けのシステム開発・運用を行う会社で約14年間、保険医療システムを担当していました。そんな中で宮坂さんからICT職の募集を開始するという発表があり、興味を持ったんです。そしてICT職の1期生として2021年に東京都のデジタルサービス局に入庁し、区市町村の手続きに関するBPR支援や都庁内各局のDX支援やデジタル庁への出向も経験しました。その後2023年8月にGovTech東京への派遣が決まり、今に至ります。
関貫さんのガバメントクラウドに関するテックブログはこちら↓


中原:わたしは2015年にCode for Niigata(新潟市)の立ち上げに参画して以来、2022年のCode for SOKA(埼玉県草加市)設立立ち会いも含めて、およそ10年間、シビックテック*1という活動に取り組んでいました。その経験を通じてシビックテックとしてできることと、ガブテックとしてできることには大きな差があることを実感していたんですよね
行政側として携わることで多くの人に良い影響を与えられるのではないか、あとは漠然と行政のシステムを改善したいと思っていたのもありますね。

*1シビックテック[CivicTech]:市民がテクノロジーを活用して、行政の問題や社会課題を解決する取り組み
中原さんのシビックテックの活動についてのテックブログはこちら↓


―グループのミッションについて教えてください。

平井:「新たな価値・変革をもたらすデジタルサービスの基盤を作り、DXを加速し、社会課題解決に貢献すること」をミッションとして掲げています。

これから東京都庁は数百のレガシーシステムを原則クラウド化していかないといけません。私たちデジタル基盤グループでは、それらをスムーズに行うための共通基盤を構築しています。私たちが積極的に関与することで、単純にオンプレミスをクラウド化するに留まらず、それぞれのシステムに新たな価値や業務の変革をもたらすことに貢献できると信じています。

東京都が持つ数百のレガシーシステムのクラウド化(近代化)を支え推進することは、大きなチャレンジであり、メンバー一人ひとりがエンジニアとして成長できるフィールドだと思いますね。
そしてその経験を通じて、デジタル基盤グループそのものがGovTech東京と東京都庁のデジタル人材を輩出する人的基盤となることを目指しています。

―現在、どのようなプロジェクトが進行しているのでしょうか?
関貫:主に「東京都クラウドインフラ構築プロジェクト」に携わっています。チームメンバーは13名で、インフラ基盤を構築するチーム、各局の業務システムをクラウド化するチーム、伴走支援を担当するチームに分かれています。

―「クラウドインフラ構築」とは、具体的にどのようなことをするのでしょうか?
平井:これから数百のシステムが私たちの基盤に乗ってくるので、事前に多くのシステムが使いそうな機能の用意や、セキュリティが担保できるように行政ならではのセキュリティ基準をシステム設計に落とし込むことを行っています。また、多くの行政職員や開発者が利用することになるので、そのアカウント管理のルール決めもしています。また東京都庁には役割ごとに「局」があり、プロジェクトの成功に向け、その各局からの要望を聞くことなど、と、多岐にわたりますね。

関貫:仕様書通りに構築すれば終わるものではなく、その仕様書自体をさまざまなステークホルダーとともに設計していく必要があります。正直、議論についていくのに必死なこともあります(笑)他にも、各自治体がクラウドインフラを導入することで、どういったメリット・デメリットがあるのかも洗い出しています。

toG(= to Government)サービスを0→1で立ち上げる面白さ

―仕事の面白さや魅力はどこにあると感じていますか?
平井:ゼロからイチをつくり上げる経験が得られることです。GovTech東京のメンバーには技術エキスパートが多いですが、ゼロからサービスを立ち上げ、運用まで携わったことのあるという人はそれほど多くないと思います。非常に貴重な“激レアな体験”ができるプロジェクトだと思います。

中原:GovTech東京以外で新サービスの立ち上げに携われる機会はあっても、そのほとんどはtoBかtoCだと思います。toG(= to Government)を経験できるチャンスはGovTech東京ならではですよね。

平井:今後、都庁内のシステムのインフラ基盤増強を想定したり、区市町村にも利用してもらうことを想定した上で、どういったインフラ基盤を構築するべきか議論することができるので、今が一番面白いタイミングですね。

―組織として目指されている理想像はありますか?
平井:ミッションにも込めた部分ではありますが、ただ単にデジタルサービス基盤を作るだけではなく、新たな価値や各自治体ではたらく人たちの業務に変革をもたらすための基盤を創りたいです。

それらを運用することが東京都のDXを加速させ、DXを担う職員のスキル向上にも貢献できるのではないか。そんな中でメンバーに求めていることは、失敗を恐れず、チャレンジすること。一人ひとりの能力が最大限に発揮される環境を整えていきたいですね。

―直近だと、それぞれどのようなチャレンジをしていますか?
関貫:これまではガバメントクラウドの使い方に関する質問に回答したり、仕様書を作成したりしていました。今後は、自分自身もガバメントクラウドを使いこなしていきたいです。

中原:私は、大規模ネットワークに関する技術知見をさらに蓄積していきたいです。現在は、プロフェッショナルな平井さんのもとで日々学びながら実践しています。GovTech東京は、社会実装や内製化に力を入れています。私たちも、ベンダーにすべてを任せるのではなく、自分たちで作れる利点を活かしてサービス品質の向上につなげていきたいですね。 

あらゆるものをつなぐ、行政と民間をつなぐ架け橋を目指して

―現在、採用強化中ですが、今後どんな人に参画してほしいですか?
中原:わたしたちのグループは立ち上がったばかりで、どういったキャリアが積めるのかはまだ未知数な部分はあります。初期メンバーである私たちがロールモデルになれたらと。
一般的なスタートアップのように、まだまだ発展途上な部分も多いと思います。その中で想いを形にしていくことに楽しみを見出したり、自分たちの力で少しずつ変化を起こしたりしていくことが楽しいと思える方だと良いと思います。自らの技術力を発揮する場や機会を求めている方よりも、組織や社会そのものをより良くしていきたい方に向いていますね。

関貫:東京都がICT職の採用をスタートして4年以上が経ち、現在若手を中心に約150名のメンバーがいるのですが、クラウドの知見や技術力がまだまだ足りず、正直苦労している部分もあります。なのでクラウドに強い方や事業をリードできるような方には是非参画してほしいです。

平井:一言でいうと、カオスな環境を楽しめる方ですね。不確実な状況下でも着実に前進させていく気概のある人を求めています。クラウド運用のエキスパートを育てることはただでさえ大変なのに、行政組織はどのクラウドを使うか指定できないため、マルチクラウドに対応していく必要があります。技術的難易度が高いものにチャレンジしたい方にも歯応えのある環境だと思います!

※ 記載内容は2024年12月時点のものです

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