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子育て当事者×行政×民間事業者のそれぞれの立場から語る”こどもDX”

GovTech東京は「東京都庁」と「都内62区市町村」のDX推進を加速するために、東京都と協働する組織として2023年に設立されました。

東京デジタル2030ビジョン」の実現に向けて、GovTech東京 デジタル戦略本部 2030戦略グループは東京都と協働して”子育て分野の行政DX”のため、組織の垣根を越えて「こどもDXプロジェクト」に取り組んでいます。

プロジェクトの概要についてはこちらから

今回は本プロジェクトの進捗・成果報告や今後の取組について意見交換を行う「東京こどもDX2025 つながる子育て推進会議」について、ご紹介します!



東京こどもDX2025 つながる子育て推進会議とは

「こどもDXプロジェクト」は、関係する行政機関や民間団体等との連携を図り、東京都のみならず全国への展開を見据えています。
サービス基盤の構築や組織の垣根を越えたデータ連携等の推進を目的として「東京こどもDX 2025 つながる子育て推進会議」を設置しています。関係省庁や区市町村等をはじめ子育て当事者も含めた幅広いステークホルダーの皆さまからも広く意見を聞き、プロジェクトに取り入れるべく本会議を実施しています。

第1回会議についてはこちらからご確認ください。そして2024年6月7日には、第2回となる会議が開催されました。

GovTech東京より、プロジェクトの取組状況と成果を報告

GovTech東京からは業務執行理事の畑中 洋亮が登壇し、4つプロジェクトについて取組状況と成果を報告しました。

そのうち、「プッシュ型子育てサービス」プロジェクトについては先行プロジェクトでのオープンデータや事業者の拡大、東京都基礎自治体や全国への展開といった進捗を報告。「保活ワンストップ」プロジェクトについてはGovTech東京が保活情報連携基盤を構築し、東京都では連携自治体の年度途中の入園手続きから保活ワンストップサービスを2024年秋に開始予定であり、120程度の保育施設が参加見込であることなどを報告しました。

発表資料はこちらから

子育て中の当事者からの提案

自身も子育て中の当事者である2名がゲストスピーカーとして会議に参加しました。

「こどもDXの推進で子育て当事者の時間と労力を還元」

㈱ワーク・ライフバランス シニアコンサルタント 川本 孝宜さん

川本さんは「子育て当事者の時間と労力をいかに還元するか」、および「子育て当事者同士の情報と機会の差を解消する」という2つの観点からこどもDXの重要性を語りました。

「子どもに接する時間にできるだけ時間と労力を還元したい。そして、情報やサービスに効率的にアクセスできるよう、育児と仕事を両立させたい当事者間の情報や機会の差を解消することが大切です。既存の民間事業者の提供するサービスと行政が連携することで、こども・子育てDXが早期に形になり、皆で一緒に子育てしやすい社会を実現したいです。」

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「デジタルを軸に抜本的な改革とパラレルな取組による子育て当事者へ全体最適の親切を」

㈱ハピキラFACTORY代表取締役 正能茉優さん

妊娠・出産・子育て時の紙を用いた手続き・お知らせの理解・管理・記入・提出が困難で面倒であることなど、自身の経験から現状の課題について語られました。そして、個々の手続きについての説明資料は数多あるものの“今すべきこと”が抜け漏れなくわかり、アクションまで繋がるシンプルな仕組みが存在しないことなどが課題意識として挙げられ、「脱・紙地獄」と題した行政の子育て関係書類のアーカイブ化等をはじめとした提案がありました。

「1つ1つの説明・案内資料はありがたいものの、資料が多すぎて何を見ればいいかわからないなど、行政の「親切」が、当事者の「混乱」になっているケースもあり、デジタルを軸にした抜本的な改革とパラレルな取組による「全体最適の親切」が重要だと思います。」

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小池知事より「デジタルの力で、望む人が安心して子供を産み、育てられる社会に」

成果報告やゲストスピーカーの発表などを踏まえて、小池知事からは、「安心できる充実した施策・サービスをデジタルの力でシームレスに、確実に届けていく」、「デジタルの力をふんだんに活用し、皆様と一緒に、望む人が安心して子供を産み、育てられる社会を作っていきたい」などと発言がありました。

先行プロジェクトでみえてきた官民連携の課題と今後に向けた展望

プッシュ型子育てサービスの先行プロジェクトに参画している一般社団法人こどもDX推進協会の小池代表は、先行プロジェクトによって得た知見から、官民連携の課題と今後に向けた展望を発言しました。

プッシュ型子育てサービス(プッシュ型子育てサービス | GovTech東京 (govtechtokyo.or.jp))の先行プロジェクトでは、東京都、こどもDX推進協会、及びGovTech東京とで3者協定を締結し、都内6基礎自治体において、民間事業者との連携によってアプリ等を通じて必要な情報が先回りで届けるプッシュ型子育てサービスを開始しています。民間の事業者の皆さまのご協力のもと、保護者の普段使いのアプリへ子育て支援に関する情報をプッシュで配信し、さらに閲覧率等のKPIの取得や分析など先行プロジェクトの効果検証にも協力いただいています。

「今後に向けた展望として、「制度レジストリのデータ連携・活用事例の蓄積」や「行政との連携で求められるサービスモデル」 などについて、引き続きGovTech東京等と検討し、「横展開しやすい仕組みづくり」に貢献していきたいです」

発表資料はこちらから

おわりに

「こどもDXプロジェクト」は、関係する行政機関や民間団体等との連携を図り、東京都のみならず全国への展開を見据えています。

本会議を受けて、国からは「都や区市町村と連携して取り組んでいるこどもDX政策を全国に展開するという好循環を作り上げていく」、区市町村からは「制度やサービスの構造化においてユーザー目線やユニバーサルデザインが重要」とする前向きな発言がありました。

こどもDXの推進においては、ユーザーである子育て当事者の困りごとや具体的な提案などについても耳を傾けながら、現実的でニーズに沿ったサービスやプロジェクトを実施・改善していくことが重要です。

同時に、官民連携体制においてのプロジェクト推進では、関係団体や民間事業者の皆さまと丁寧なコミュニケーションを取りながら、双方の課題の把握や共有を図り、改善に努めることも重要となります。本プロジェクトは行政DXの推進という側面も持っており、各自治体での課題や業務フローにあった取組を検討し、先行した取組で得られた知見や課題などを相互に共有することで、得られたノウハウを横展開し、繋げていく機運も大切ということが再確認されました。

今後も関係者・関係機関と連携を密に「つながる」ことから、サービスやプロジェクトが「広がる」ことで、皆で一緒に子育てしやすい社会を実現していかれるように、GovTech東京はこどもDXを推進していきます。

当日の様子は、こちらからご覧ください。



GovTech東京の「こどもDXプロジェクト」に関する情報は、ホームページでも発信しています。

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