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組織の垣根を越えて”子育て分野の行政DX”を推進するGovTech東京『こどもDXプロジェクト』

GovTech東京は「東京都庁」と「都内62区市町村」のDX推進を加速するために、東京都と協働する組織として2023年に設立されました。

「東京デジタル2030ビジョン」の実現に向けて、GovTech東京デジタル戦略本部 2030戦略グループは東京都と協働して”子育て分野の行政DX”のため、組織の垣根を越えて「こどもDXプロジェクト」に取り組んでいます。その取り組みの進捗や展開などについて今回noteでもご紹介します。



はじめに

東京都は、2030年代を見据え、東京都が目指すDXの将来像を描いた「東京デジタルビジョン2030」を発表しています。
このビジョンの中では、デジタルの力を最大限発揮し、行政サービスのあり方に大きなイノベーションを引き起こすため「プッシュ型」「垣根を越える」「顧客最適化」の3つの変革に取り組んでいくこととされており、数ある課題の中から、その第一歩としてデジタルとの親和性の高い「子育て世代」への支援を実施する「こどもDX」に取り組んでいます。

GovTech東京は、「東京都庁」と「都内62区市町村」のDX推進を加速するために、東京都と協働する組織として2023年に設立されました。その中で、デジタル戦略本部2030戦略グループは「東京デジタル2030ビジョン」の実現に向けた支援を行っています。

GovTech東京の役割、協働・連携体制

GovTech東京は、デジタルの知見を活用したシステム開発など技術的分野における助言・支援、高度な専門性を持ったメンバーによる専門的知見からのコンサルティングや各種ステークホルダーと調整・連携するプロジェクトマネジメントなどの役割を通じて、東京都との協働体制のもと、包括的な支援を提供しています。

こどもDXをはじめとして、手続きのワンストップ化やレジストリ・データ連携基盤の構築に向けて、関係団体・民間事業者の皆さまと連携し(官民連携)、都内の区市町村との連携、さらに全国展開等を見据えて関係省庁等とも連携しながら(官官連携)、プロジェクトを推進しています。

「つながる子育て」をキーワードに、官民の垣根を越えた子育て支援サービスの実現

2025年度までに「つながる子育て」をキーワードに、組織や行政の垣根を越えて便利で快適な子育て支援サービスを実現するべく、4つのプロジェクトに取り組んでいます。

データレジストリの整備を通じて「つながる」プッシュ型子育てサービス

 これまでの「プル型サービス」では、数多ある情報から必要なサービスを自身で探し、探した情報の中から自分がサービスを受けられる対象かどうか、そのために必要な手続きはなにかなどをそれぞれ確認し、行政機関の窓口に出向いて申請しなければなりませんでした。 東京都では「プッシュ型サービス」の提供により、そのひとの状況に応じて、必要な情報をプッシュ型で配信・通知し、届いた情報からスマートフォンを使ってオンライン申請でき、適切な支援サービスの情報が切れ目なく、タイムリーに届く状態を目指しています。

本プロジェクトでは、区市町村と連携して各自治体の子育て支援制度レジストリを構築し、民間のアプリ事業者の皆さまと連携することによって、アプリから必要な情報を先回りで届けることによって、3つの●●そびれ(知りそびれる・申し込みしそびれる・貰いそびれる)をなくします。

国が掲げている全国的なレジストリの整備やプッシュ型子育て支援も見据えながら、先行プロジェクトとしてGovTech東京が東京都版子育て支援制度レジストリを整備し、東京都オープンデータカタログサイトに順次公開しています。民間事業者の皆さまにオープンデータを活用いただき、アプリ利用者のニーズに応じた給付金等の最適な情報を配信します。

プッシュ型子育てサービス

国のデータ連携基盤への接続促進を通じて「つながる」母子保健オンラインサービス(PMH)

これまで療費助成・母子保健・予防接種・介護保険等分野のサービスでは自治体が主体で提供され、その連携先は国民、自治体、医療機関・薬局といった数ある主体があり、当事者間での紙での情報連携にかかる業務負担や手間が多く、改善が必要な状況があります。

そこでデジタル庁では、関係省庁と連携し、医療費助成、予防接種、母子保健等領域におけるマイナンバーカードを活用したデジタル化の取組が推進されています。Public Medical Hub(PMH)は、デジタル庁が開発して、政府が構築を進めている「住民、医療機関、自治体の間で母子保健情報を共有するためのデータ連携基盤」です。

東京都ではこどもDXを実現するため、都内区市町村や医療機関・薬局等におけるPMHへの接続促進に向けた取り組みを推進しています。
本プロジェクトでは、自治体や医療機関等がPMH接続を行うことで、住民が
各種医療費助成、等のマイナンバーカードによる資格確認
・マイナポータルからの問診票・予診票入力や接種履歴・健診結果の確認
などを行うことを可能にします。

母子保健オンラインサービス(PMH) 

データ連携基盤の構築を通じて「つながる」保活ワンストップ

これまで保育園の入所に係る、情報収集や見学予約、窓口申請等の一連の「保活」に係る保護者の負担は大きいのが現状でした。また、入所が決定したあとも、通知までに多くの時間を要し、こどもの入所や保護者の復職に向けた準備への支障となるケースもあります。

東京都ではGovTech東京と保活に関する情報連携基盤を構築し、民間保活アプリや保育ICTと連携することによって、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結するワンストップシステムの実現を目指しています。

本プロジェクトでは令和6年度より国のデジタル田園都市国家構想交付金(TYPES)を受けて、先行事業として連携3自治体(板橋区、足立区、調布市)において保活ワンストップサービスを開始します。また、効果検証を行いながら全国展開に向けて関係省庁と連携してよりよいサービスを検討していきます。 

保活ワンストップ

国の給付支援サービスの活用を通じて「つながる」給付金手続の利便性UP

これまでは申請・給付のたびに何度も同じ情報を入力したり、それぞれの自治体・窓口で手続きする必要がありました。
東京都ではこどもの成長を支えるための給付金等についても、国、区市町村と連携し、「ワンスオンリー」の徹底や簡単便利で爆速の手続の実現を目指しています。
本プロジェクトでは、都内在住の0歳から18歳までの子供たちに一人あたり月額5,000円を支給する「018サポート」の申請改善のため、デジタル庁が構築する「自治体向け共同利用型の給付支援サービス」と連携し、親と子のマイナンバーカードをスマートフォンで読み取ることで申請できる新しい仕組みを、デジタル庁、東京都、及びGovTech東京が協働して導入しました。
給付金手続の利便性UP

今後の展望

まずは「こども・子育て支援」の分野において、レジストリの整備やデータ連携基盤の構築、および国の構築したデータ連携基盤への接続・活用などを通じて官民のデータを連携させ、ポータルサイトやアプリ等デジタルサービスの入口を整備することで利用者と行政をつなぎ、子育てを社会全体で支える仕組みづくりを目指しています。

GovTech東京ではこどもDXの推進はもちろんのこと、本プロジェクトを通じて得られた官民の協働・連携体制の仕組みナレッジやプロトタイプなどを「磨く」よう取り組み、他分野へも「広がる」ことを目指し、どのライフイベントにおいても必要な情報やサービスが官民の垣根を越えて切れ目なく届くことを実現していきます。

今後GovTech東京のnoteでは、「こどもDXプロジェクト」に関する取り組みの進捗や展開などについて発信していきます!

GovTech東京の「こどもDXプロジェクト」に関する情報は、ホームページでも発信しています。

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