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GovTech東京にしかできない、“おもしろい仕事”がある。多彩なDX人材が揃うテクニカルグループが繰り出す「爆速実装」

民間企業から東京都に転職し、GovTech(ガブテック)東京に移った亀山 鉄生、東京都から派遣されている奥木 稜平と佐藤 瑠璃にテクノロジー本部テクニカルグループの仕事内容ややりがい、今後の展望について聞きました。


多彩なDX人材が躍動する、テクノロジー本部 テクニカルグループ

──最初に、皆さんがGovTech東京で担っている役割について、それぞれ教えてください。

亀山:2021年に民間企業から東京都のデジタルサービス局に入り、デジタルシフト推進担当課長として各局の支援をしていました。GovTech東京設立時に東京都から転職し、今はテクニカルグループとデータ利活用グループのグループ長を兼務しています。東京都では主に各局DX推進案件の支援と担当者のアサインなどを担当し、GovTech東京でも引き継いでいます。

GovTech東京に転職した理由は、技術を使ってさらなる東京都のDX推進に貢献できると感じたためです。民間企業から転職したのも同じ理由からでした。さらにスターティングメンバーかつグループ長として仕事をさせてもらえることになり、迷いはありませんでした。

奥木:大学院を卒業し、大手電機メーカーの情報システム部門に4年ほど勤めました。生産基幹システムの開発や運用・保守を担当し、データベースの領域に携わり、最後の1年は社内DXを推進する部署でIE(Internet Explorer)から Microsoft Edgeへの移行の舵取りを担当しました。

「IT技術は便利で生活を変えられるもの」という考えが私の根底にあり、自分が作ったものを社内にだけ提供していることに、もどかしさを感じるようになりました。行政サービスであれば便利さを多くの人に享受してもらえると考え、2023年4月に東京都に転職。1年半ほどデジタルサービス局デジタル推進課に勤務し、各局DX推進案件の支援やローコード・ノーコードを中心としたエンジニア業務をしていました。

9月に東京都からGovTech東京への派遣職員として参画し、亀山さんと同じくテクノロジー本部テクニカルグループで東京都庁各局のDX支援やエンジニア業務を行っています。PMOとしてプロジェクトに関わることも多いですね。GovTech東京の発足を最初に聞いたときは、東京都の外に団体ができることによって、DXがスピードアップするのではないかと感じました。そのためGovTech東京への異動を聞いたとき、自分もそれに参画できること、多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーと働くことによって成長できるとワクワクしたことを覚えています。

実際に働き始めてみると、自由度が増し、専門性が上がりました。以前はノーコードで開発することが多かったのですが、GovTech東京ではプログラミングやコーディングの機会が増え、高い専門性が要求される仕事に挑戦できる機会も多いので成長実感があります。

佐藤:私は、学生時代はデータ分析やものを作るプロジェクトをしていて、2023年に新卒で東京都に入りました。ICT職として都庁内各局への技術支援やノーコードツールを用いたデータの可視化やプロトタイプ作成を担当しました。東京都からの派遣職員としてGovTech東京に参画し、二人と同じグループに所属して引き続き東京都の各局に対し技術的な支援を行っています。
 
技術者の方々と一緒に仕事ができる機会があればいいなと思っていたので、 GovTech東京への派遣の話をいただき喜んで参画しました。

東京都すべてのデジタル化が、私たちの仕事です

──GovTech東京のテクノロジー本部 テクニカルグループの仕事について教えてください。

亀山:「デジタルサービスの企画、開発等に関すること」「東京都のデジタルサービス局や各局、区市町村等のデジタルサービスの企画、開発、運用等に係る技術的助言、提案等に関すること」「デジタルサービスの品質管理に関すること」が私たちの仕事です。東京都の行政職員がいるエリアすべてのデジタルサービスに対してサポートしていく、守備範囲の広いチームです。デジタルサービスの品質を管理するために、企画や設計の段階から各局の実態を詳しく確認しながら支援しています。

デジタルサービス本部がすすめる新規事業や、官民共創や区市町村DX、都庁各局DXを実行していくために、私たちテクノロジー本部テクニカルグループが技術面から支えています。場合によってはPMの役割も果たしながら開発まで一気通貫で支援していて、都庁各局と直接やり取りしながら年間200ほどの案件を対応しています。

また、現在GovTech東京には情報システムチームがありませんので、GovTech東京内のインフラ整備もテクニカルグループが担っています。外も内も全方位を見ながら仕事をしています。

電力需給をの可視化・情報発信する仕組みを1カ月で実装

──電力需給を可視化する「HTTプロジェクト」の支援について教えてください。

奥木:東京都は気候危機への対応だけでなく、中長期的にエネルギーの安定確保につなげる観点からさまざまな取り組みを強化・加速しています。そのためにHTT電力をHへらす・Tつくる・Tためるをキーワードに都民や事業者と共に取り組みを進めています。

私たちが担当したのは、東京電力パワーグリッドが公開している「でんき予報」を活用して、東京都内の電力使用状況を可視化して注意喚起するプロジェクトの支援です。都庁本庁舎のサイネージに電力使用状況を表示したり、電力需給のひっ迫度合いが高まってきたときにX(旧Twitter)に情報をポストし、節電を促す仕組みを作りました。

具体的には電力使用状況の情報を取得し、予想消費電力がひっ迫している場合は節電を促す画像を生成してポストする一連の流れを自動化するシステムの実装と運用保守を担当しました。その他に、定刻になると電力の需要予測を広報担当者に通知する仕組みも実装しました。

──どのようにして進めたのでしょうか?

奥木:広報担当の方からの「電力のひっ迫が予想される場合にX(旧Twitter)で投稿したい」という相談から始まりました。まず実現可能性を検証し、要件定義・設計、実装、テストと、すべてを一気通貫でGovTech東京が担いました。最初の相談の時点でリリースするまで1カ月弱しか猶予がなかったので、設計を書かずに実装していきました。その代わり認識の齟齬が出ないよう、担当者とオンラインツールを使って密にコミュニケーションを取りながら開発を進めました。私が東京都にいた時から始まったプロジェクトで、元々このプロジェクトの関係者との距離感が近く、信頼関係もあったので仕事は進めやすかったです。
 
「クイックにアクションを起こせる」というGovTech東京の強みが、HTTプロジェクトで活かされました。課題を抱える部局の近くにいるので相談にすぐ乗れて、迅速・柔軟に動ける体制があります。適切な人材をアサインし、クイックに実装できるところがポイントです。コミュニケーションを取りやすい関係性ができていたので、仕様書を書くことを省略するなど効率的に進められたことも成功の一因です。

──苦労されたのはどの点でしょうか?

期間が短い中で実現可能性を考えるところからすべて、自分たちで行う必要があったことです。例えば最初はXにAPIを経由して自動で投稿しようとしていたのですが、技術的には可能でもリスクが高いため諦めました。では代替手段をどうするのか。その提案をしなければいけなかったので苦労しました。ちょうどTwitterからXに変わった時期でもあり、作りながら考えるのでやり直しも発生します。亀山さんには壁打ち相手になってもらったり、過去の経験から考えられるリスクを確認してもらいながらチームで進めました。

亀山:今回は、時間が短かったこともあり、自分達で手を動かして作ったのですが、内製化したことによって、HTTのプロジェクトでも柔軟に対応できました。

プロトタイプを2週間で構築!1年目のメンバーが挑む、都庁の業務システム改善

──都庁の業務システム見直しのプロジェクトについて教えてください。

佐藤:東京都のある局にAccessで構築した業務サポートシステムがあり、それはある程度自動化されています。「ある程度」と表現したのは、手作業とシステムの両方が混在しているためです。外部の方も関わる委員会の進行管理のために「Accessから出力したExcelに手作業で入力しているものも全部自動化したい、効率化したい」との希望があり、ノーコードでアプリを作れるツールを使って解決しました。

移行するにあたって、私は仕様書のチェックやプロトタイプを作る部分を担当しました。最初に要件の整理をし、次に現行システムの画面や遷移、ボタン操作を調べました。

──苦労されたのはどの点でしょうか?

機密情報が格納されているAccessを直接触ることはできないので、閲覧可能な箇所をスクリーンショットで確認したり、担当者への質問を重ねることで問題点や改善すべき点を洗い出していったことです。次に業務フローを確認しながら可視化し、適するプラグインなどを調査、整理しました。そこからデータの持ち方を考えてプロトタイプを作成するという流れです。

一番苦労したことは、局の業務スケジュール上、依頼されてから2週間後にはプロトタイプを完成させる必要があったことです。アプリの試用期間が決まっている中で、局の担当の方に試してもらう時間を長く取りたいと考えました。そのため作成期間をできるだけ短く設定し、大変でしたが逆に燃えましたし、大きな達成感を感じられる仕事になりました。最初の要件整理で方向性をしっかりと固め、マイルストーンを置いてギチギチのスケジュールで進めました。要件の整理に1週間かけ、アプリ自体は3日間で作ってしまいました。そのおかげでプロトタイプの段階で「もうこのまま業務で使えます!」との言葉をいただきました。

亀山:東京都には約30の局があり、やっている仕事はそれぞれバラバラです。それを依頼から2週間で業務内容を理解した上で形を作っていくのはGovTech東京にしかできないおもしろい仕事です。民間企業の場合、例えば福祉系に強いベンダーでしたら福祉関連の仕事が中心です。GovTech東京では各局の幅広い行政の仕事に関わるチャンスがあるので他にはない経験ができます。局によって雰囲気も違いますし、扱う内容も千差万別です。私も最初はとんでもない世界に来たなと思いましたが、勉強させてもらっているうちにどんどん楽しくなってきました。

相手が何に困っているかをしっかりとヒアリングし、最適なアウトプットを短い期間で出していきます。課題を解決していく中で、エンジニアとして自然と成長できます。

2024年度は仲間を増やし、より強靭な体制へ

──テクニカルグループの今後について教えてください。

亀山:2023年度はバトンゾーンと位置づけています。東京都のデジタルサービス局でやっていた仕事の品質を下げないように継続させることを目標にしています。「GovTech東京になったら質が下がった」と言われないように頑張っています。

2024年度は採用して仲間を増やして、より上流の工程、企画の段階から中に入っていくプロジェクトを増やしていきたいと考えています。GovTech東京の目標として、区市町村や都の政策連携団体への対応にさらに力を入れていくことを掲げているので、今後は解くべき課題がさらに増え、複雑化することが予想されます。その悩みをソリューション、サービスという形でテクニカルグループが解決していける強靭な体制をつくっていきます。

「GovTech東京がつくるものなら安くて安全・安心」と言われるようになるのが理想です。
 
募集している職種のひとつがソリューションアーキテクトのエキスパート職です。SIerを経験していてものづくりがしっかりできる。さらにクラウドやSaaSについてもよく理解していて、ケースによって「これならこのソリューションがいい。ここは作っちゃった方が早い」と提案できる力のある人と一緒に働きたいです。エンジニアとしての下地がある方ですね。デザイナーであればデザインを自分で手を動かしたことがあるのはもちろん、どうやったら都民に届くか、常にその最適解を考えられる人がいいですね。

いまはバトンゾーンの仕事が多く、目の前の仕事で手一杯なので、自ら手を動かしてソリューションやサービスをつくれる方に加わっていただきたいです。
東京都でうまくいったプロジェクトやサービスを他の自治体にも使っていただくなど、スケールの大きな仕事ができます。行政で自分のスキルを活かしたい方にぜひ参画してほしいです。

※ 記載内容は2024年1月時点のものです

【お知らせ】
2月14日(水)12時より、ライブ配信イベント「GovTech東京 Career Meetup ~ vol.3エンジニア編 ~」を開催します。
ご興味のある方は、是非ご視聴ください。

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